【数学A】図形の性質09:円と接線(接弦定理・方べきの定理)

図形の性質
さん
さん

今日の板書はこれ!

円と接線

■ ① 接線と半径
円の接線は、接点を通る半径に垂直である。

■ ② 接線の長さ
円の外部の点から引いた2本の接線の長さは等しい。

■ ③ 接弦定理
接点を通る弦と接線が作る角は、その角の内部にある弧に対する円周角に等しい。

■ ④ 方べきの定理
点Pから、直線と円の交点までの距離の積が等しい。

[1] 点Pを通る2直線が、円とそれぞれ2点A,Bと2点C,Dで交わるとき
PA・PB=PC・PD

[2] 点Pを通る2直線の一方が円と2点A,Bで交わり、他方が点Tで接するとき
PA・PB=PT²

生徒
生徒

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さん
さん

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円と接線が絡む問題は、この4つを考えよう!

円と接線が出てくる問題では、次の4つの性質のどれを使うかを考えます。

  • ① 円の接線は、接点を通る半径と垂直
  • ② 円の外部の点から引いた2本の接線の長さは等しい
  • ③ 接弦定理
  • ④ 方べきの定理

この記事では、次の問題を解きながら、1つずつ確認していきます。

例題1

△ABCにおいて、AB=7,BC=8,CA=5 とする。この三角形の内接円と辺BC,CA,ABとの接点を、それぞれP,Q,Rとするとき、BPの長さを求めよ。

練習2の図:三角形ABCの内接円と接点P、Q、R
例題2

次の図において、\(\alpha\) を求めよ。ただし、直線ℓは円Oの接線で、Aは接点である。

例題1の図:接線ℓと三角形ABC、角73°、60°、α
例題3

下の図において、\(x\) を求めよ。

(1)

例題1の図:円の中で交わる2つの弦、PA=4、PB=6、PC=3、PD=x

(2) Oは円の中心とする。

例題2の図:円の外部の点Pから引いた2直線
例題4

右の図において、\(x\) を求めよ。ただし、直線PTは円Oの接線で、Tは接点である。

練習1の図:PA=3、AB=5、接線PT=x
生徒
生徒

性質が4つもあるんですね…どれを使えばいいか迷いそうです。

さん
さん

図に「接線」「接点」「交わる直線」の何があるかで決まるんだ!1つずつ見ていこう。

① 接線と半径は垂直

円と直線がただ1点で交わるとき、その直線を円の接線、交わる点を接点といいます。

円の接線は、接点を通る半径に垂直になります。

円の接線ℓは接点Aを通る半径OAに垂直

② 接線の長さは等しい

円の外部の点Pから、円に2本の接線を引き、接点をA,Bとします。

このとき、PからA,Bまでの距離(接線の長さ)は等しく、PA=PB です。

円の外部の点Pから引いた2本の接線の長さPAとPBは等しい

△OAPと△OBPで考えます。

接線は半径に垂直なので、∠OAP=∠OBP=90° です。

また、OA=OB(半径)で、OPは共通です。

直角三角形で斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので、△OAP≡△OBP となります。

よって PA=PB です。

例題1を解こう

例題1

△ABCにおいて、AB=7,BC=8,CA=5 とする。この三角形の内接円と辺BC,CA,ABとの接点を、それぞれP,Q,Rとするとき、BPの長さを求めよ。

練習2の図:三角形ABCの内接円と接点P、Q、R

BP=\(x\) とおきます。

接線の長さは等しいので、BR=BP=\(x\) です。

同じように、CQ=CP=\(8-x\),AQ=AR=\(7-x\) です。

練習1の答えの図:接線の長さが等しい部分

CA=AQ+QC なので、次のようになります。

\((7-x)+(8-x)=5\)  \(15-2x=5\)  \(x=5\)

したがって、BP=5 です。

さん
さん

接点で辺を区切って、等しい接線の長さどうしを入れかえるのがコツだよ!

③ 接弦定理

接点Aを通る弦ABと、Aにおける接線ATが作る角∠BATを考えます。

具体的な図で見ると、∠BAT=70° のとき、弧AB(角の内部にある弧)に対する円周角∠ACBも70°になっています。

接弦定理の具体例:接線と弦の角70°と円周角70°

このように、接点を通る弦と接線が作る角は、その角の内部にある弧に対する円周角に等しいです。

これを接弦定理といいます。

接弦定理:接線と弦が作る角は、角の内部の弧に対する円周角に等しい

∠BATが鋭角の場合で説明します。

Aを通る直径ADを引きます。

証明の図:直径ADを引いて接弦定理を示す

接線は半径に垂直なので ∠DAT=90° です。

よって ∠BAT=90°-∠DAB です。

一方、ADは直径なので ∠ABD=90° で、△ABDの内角の和から ∠ADB=90°-∠DAB です。

したがって ∠BAT=∠ADB です。

∠ADBは弧ABに対する円周角なので、同じ弧に対する円周角∠ACBとも等しくなります。

例題2を解こう

例題2

次の図において、\(\alpha\) を求めよ。ただし、直線ℓは円Oの接線で、Aは接点である。

例題1の図:接線ℓと三角形ABC、角73°、60°、α

\(\alpha\) は、接線ℓと弦ACが作る角です。

この角の内部にある弧は、弧ACです。

弧ACに対する円周角は、点Bから見た∠ABCです。

接弦定理より、\(\alpha\) は∠ABCに等しくなります。

例題1の解説図:αは弧ACに対する円周角ABC=60°に等しい

\(\alpha=\angle \mathrm{ABC}=\color{#EE4656}{60^\circ}\)

さん
さん

接弦定理では、角の内側にある弧を見つけて、その弧の「向こう側」の円周角を探すのがコツだよ。73°は使わないので注意しよう!

④ 方べきの定理

[1] 2直線が円と2点ずつで交わるとき

点Pを通る2直線が、円とそれぞれ2点A,Bと2点C,Dで交わるとします。

たとえば PA=2,PB=6,PC=3,PD=4 のとき、PA・PB=12,PC・PD=12 となり、積が等しくなっています。

一般に、PA・PB=PC・PD が成り立ちます。

これを方べきの定理といいます。

点Pが円の内部にあっても外部にあっても成り立ちます。

方べきの定理:点Pが円の内部にある場合
方べきの定理:点Pが円の外部にある場合

点Pが円の内部にある場合で説明します。

△PACと△PDBを考えます。

証明の図:三角形PACと三角形PDBは相似

∠PAC=∠PDB(弧BCに対する円周角)で、∠APC=∠DPB(対頂角)です。

2組の角がそれぞれ等しいので、△PAC∽△PDB です。

対応する辺の比は等しいので PA:PD=PC:PB です。

外側どうし・内側どうしをかけると、PA・PB=PC・PD が成り立ちます。

点Pが円の外部にある場合も、△PAC∽△PDB を使って同じように示せます。

例題3(1)を解こう

例題3(1)

下の図において、\(x\) を求めよ。

例題1の図:円の中で交わる2つの弦、PA=4、PB=6、PC=3、PD=x

2つの弦が円の内部の点Pで交わっているので、方べきの定理[1]を使います。

PA・PB=PC・PD

\(4\cdot 6=3x\) より \(x=\color{#EE4656}{8}\)

例題3(2)を解こう

例題3(2)

下の図において、\(x\) を求めよ。ただし、Oは円の中心である。

例題2の図:円の外部の点Pから引いた2直線

今度は点Pが円の外部にあります。

PBは PA+AB=\(x+1\)、PDは PC+CO+OD=2+2+2=6 です。

\(x(x+1)=2\cdot 6\)

展開すると \(x^2+x-12=0\) となり、\((x+4)(x-3)=0\) です。

\(x\) は長さなので正の数であり、\(x=\color{#EE4656}{3}\) となります。

[2] 一方が接線のとき

点Pを通る直線のうち、一方が円と2点A,Bで交わり、もう一方が点Tで接するときは、PA・PB=PT² が成り立ちます。

[1]で2点C,Dが重なって1点Tになったと考えると、PC・PD が PT・PT=PT² になるイメージです。

方べきの定理:一方が接線の場合 PA・PB=PT²

例題4を解こう

例題4

右の図において、\(x\) を求めよ。ただし、直線PTは円Oの接線で、Tは接点である。

練習1の図:PA=3、AB=5、接線PT=x

PB=PA+AB=3+5=8 です。

直線PTは接線なので、方べきの定理[2]より PA・PB=PT² です。

\(3\cdot 8=x^2\) より \(x^2=24\)

\(x>0\) なので、\(x=\color{#EE4656}{2\sqrt{6}}\) です。

さん
さん

どの場合も「点Pから」測った長さをかけるのがポイントだよ。ABやCDのような弦の長さそのものは使わないよ!

練習問題

練習1

四角形ABCDは円に外接し、AB=7,BC=9,CD=8 である。辺DAの長さ \(x\) を求めよ。

例題1の図:円に外接する四角形ABCD、AB=7、BC=9、CD=8、DA=x
答えを見る

辺AD,AB,BC,CDと円の接点をそれぞれP,Q,R,Sとすると、接線の長さは等しいから AP=AQ,BQ=BR,CR=CS,DS=DP

円に外接する四角形ABCDと接点P、Q、R、S、各頂点から接点までの等しい長さ

よって AB+CD=AQ+BQ+CS+DS=AP+BR+CR+DP=AD+BC

\(7+8=x+9\) より \(x=\color{#EE4656}{6}\)

練習2

下の図において、\(\alpha\) を求めよ。ただし、直線ℓは円Oの接線で、Aは接点である。また、CB=CA である。

練習1の図:接線ℓと二等辺三角形、角51°、α
答えを見る

CB=CA より、△CABは二等辺三角形であるから ∠CAB=∠CBA=51°

よって ∠ACB=180°-51°×2=78°

接弦定理より、\(\alpha\) は弧ABに対する円周角∠ACBに等しいから \(\alpha=\color{#EE4656}{78^\circ}\)

練習3

円Oの半径を \(r\) とする。下の(1),(2)の図のそれぞれにおいて、PA・PBの値を \(r\) とPOを用いて表せ。

練習3(1)の図:円の内部の点P
練習3(2)の図:円の外部の点P
答えを見る

(1) PC=\(r\)+PO,PD=\(r\)-PO である。方べきの定理より

\(\mathrm{PA}\cdot \mathrm{PB}=\mathrm{PC}\cdot \mathrm{PD}=(r+\mathrm{PO})(r-\mathrm{PO})=\color{#EE4656}{r^2-\mathrm{PO}^2}\)

(2) PC=PO-\(r\),PD=PO+\(r\) である。方べきの定理より

\(\mathrm{PA}\cdot \mathrm{PB}=\mathrm{PC}\cdot \mathrm{PD}=(\mathrm{PO}-r)(\mathrm{PO}+r)=\color{#EE4656}{\mathrm{PO}^2-r^2}\)

まとめ:円と接線・方べきの定理

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

円と接線・方べきの定理

■ ① 接線と半径
円の接線は、接点を通る半径に垂直である。

■ ② 接線の長さ
円の外部の点から引いた2本の接線の長さは等しい。

■ ③ 接弦定理
接点を通る弦と接線が作る角は、その角の内部にある弧に対する円周角に等しい。

■ ④ 方べきの定理
点Pから、直線と円の交点までの距離の積が等しい。

[1] 点Pを通る2直線が、円とそれぞれ2点A,Bと2点C,Dで交わるとき
PA・PB=PC・PD

[2] 点Pを通る2直線の一方が円と2点A,Bで交わり、他方が点Tで接するとき
PA・PB=PT²

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

さん
さん

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!

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