
今日の板書はこれ!
\(n\) が正の整数のとき、次が成り立つ。
\(\int (\color{#3CB371}{x+a})^n\,dx\)
\(=\color{#F39800}{\frac{1}{n+1}}(\color{#3CB371}{x+a})^{\color{#F39800}{n+1}}+C\:\:(C\) は積分定数)
放物線 \(y=x^2\) 上の点 \((1,\ 1)\) における接線を \(\ell\) とする。放物線 \(y=x^2\) と接線 \(\ell\) および \(y\) 軸で囲まれた部分の面積 \(S\) を求めよ。
▼ 解答
\(y’=2x\) より、接線 \(\ell\) の傾きは
\(2\cdot 1=2\)
よって、接線 \(\ell\) の方程式は
\(y=2(x-1)+1\)
\(y=2x-1\)
\(0\leq x\leq 1\) で放物線が接線の上にあるので、
\(\color{#E9548E}{S}=\int_0^1\{\color{#EE4656}{x^2}-(\color{#45A3DA}{2x-1})\}\,dx\)
\(=\int_0^1 (x^2-2x+1)\,dx\)
\(=\int_0^1 (\color{#3CB371}{x-1})^2\,dx\)
\(=\left[\color{#F39800}{\frac{1}{3}}(\color{#3CB371}{x-1})^{\color{#F39800}{3}}\right]_0^1\)
\(=-\frac{1}{3}(0-1)^3\)
\(=\frac{1}{3}\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!
(x+a)ⁿ の積分とは?

今回は、\((x+a)^n\) の形の関数を、展開しないでそのまま積分する方法を学ぶよ。

展開してから積分するのではダメなんですか?

もちろん展開してもできるよ。でも、かたまりのまま積分すると、計算がぐっと楽になることが多いんだ。

もとになるのは \(\int x^n\,dx\) の公式だよ。忘れていたら、こちらで復習してね。
∫xⁿ dx の公式と見比べよう
\((x+a)^n\) の積分は、すでに知っている \(\int x^n\,dx\) の公式と見比べると分かりやすくなります。
\(\int x^n\,dx=\color{#F39800}{\frac{1}{n+1}}x^{\color{#F39800}{n+1}}+C\)
↓ \(x\) をかたまり \(\color{#3CB371}{x+a}\) に置きかえる
\(\int (\color{#3CB371}{x+a})^n\,dx=\color{#F39800}{\frac{1}{n+1}}(\color{#3CB371}{x+a})^{\color{#F39800}{n+1}}+C\)
(\(C\) は積分定数)

\(\int x^n\,dx\) は「指数を1つ上げて、その数で割る」だったね。\((x+a)^n\) でも、かたまり \(\color{#3CB371}{x+a}\) をばらさずに、そのまま同じことをすればいいんだ。

本当にそれで合っているんですか?

じゃあ、\(\int_0^1 (x+1)^2\,dx\) を、展開した場合と公式を使った場合の2通りで計算して、比べてみよう!
確かめよう①:展開して計算する
\((x+1)^2\) を展開してから積分します。
\(\int_0^1 (x+1)^2\,dx\)
\(=\int_0^1 (x^2+2x+1)\,dx\)
\(=\left[\frac{1}{3}x^3+x^2+x\right]_0^1\)
\(=\frac{1}{3}+1+1\)
\(=\frac{7}{3}\)
確かめよう②:公式を使って計算する
今度は、かたまり \(\color{#3CB371}{x+1}\) をばらさずに、公式を使って積分します。
\(\int_0^1 (\color{#3CB371}{x+1})^2\,dx\)
\(=\left[\color{#F39800}{\frac{1}{3}}(\color{#3CB371}{x+1})^{\color{#F39800}{3}}\right]_0^1\)
\(=\frac{1}{3}\cdot 2^3-\frac{1}{3}\cdot 1^3\)
\(=\frac{8}{3}-\frac{1}{3}\)
\(=\frac{7}{3}\)
どちらで計算しても、同じ \(\frac{7}{3}\) になりました。

公式を使えば展開しなくていいから、計算がぐっと楽になるね! \(x\) の代わりにかたまり \(\color{#3CB371}{x+1}\) が入っても、「指数を1つ上げて、その数で割る」はそのまま使えるんだ。

展開しなくても同じ答えになるなら、公式を使ったほうが楽ですね!

ただし、使えるのは \(x\) の係数が 1 の \((x+a)^n\) の形だけ。\((2x+1)^2\) のように \(x\) の係数が 1 でないときは、このままでは使えないので注意してね。
例題1:放物線と接線と y 軸で囲まれた部分の面積
放物線 \(y=x^2\) 上の点 \((1,\ 1)\) における接線を \(\ell\) とする。放物線 \(y=x^2\) と接線 \(\ell\) および \(y\) 軸で囲まれた部分の面積 \(S\) を求めよ。

前回の「接線と面積」と同じ流れで解いていこう。今回は、最後の積分で今日の公式が活躍するよ!
接線の方程式を求めよう
\(y’=2x\) より、接線 \(\ell\) の傾きは \(2\cdot 1=2\) です。
よって、接線 \(\ell\) の方程式は \(y=2(x-1)+1\) より \(y=2x-1\) となります。
どちらが上かを確かめよう

囲まれた部分は、\(y\) 軸(\(x=0\))から接点(\(x=1\))までの範囲です。
\(0\leq x\leq 1\) では、放物線が接線の上にあります。
放物線と接線は、接点以外では交わらないので、放物線がずっと上にあります。
解いてみよう
\(\color{#E9548E}{S}=\int_0^1\{\color{#EE4656}{x^2}-(\color{#45A3DA}{2x-1})\}\,dx\)
\(=\int_0^1 (x^2-2x+1)\,dx\)

ここがポイント! \(x^2-2x+1\) は \((x-1)^2\) と因数分解できるね。放物線と接線の差は、接点の \(x\) 座標を \(a\) とすると \((x-a)^2\) の形になるんだ。
\(=\int_0^1 (\color{#3CB371}{x-1})^2\,dx\)
\(=\left[\color{#F39800}{\frac{1}{3}}(\color{#3CB371}{x-1})^{\color{#F39800}{3}}\right]_0^1\)
\(=\frac{1}{3}(1-1)^3-\frac{1}{3}(0-1)^3\)
\(=0-\frac{1}{3}\cdot(-1)\)
\(=\frac{1}{3}\)

上端の \(x=1\) を代入すると、かたまり \(\color{#3CB371}{x-1}\) が 0 になって、項がまるごと消えるよね。これがかたまりのまま積分するいちばんのメリットだよ。
展開して計算した場合と比べてみよう
展開したまま積分すると、次のようになります。
\(\int_0^1 (x^2-2x+1)\,dx\)
\(=\left[\frac{1}{3}x^3-x^2+x\right]_0^1\)
\(=\frac{1}{3}-1+1\)
\(=\frac{1}{3}\)
答えは同じですが、展開すると項が3つになり、代入する数も増えます。
接点の \(x\) 座標が負の数や分数になると、展開した式に代入する計算は大変になりますが、かたまりのまま積分すれば、接点を代入した項は 0 になって消えます。

代入したら 0 になって消えるの、気持ちいいですね!
練習問題

まず接線を求めて、引き算した式がかたまりの2乗になることを確かめよう!
放物線 \(y=x^2-x+2\) 上の \(x\) 座標が \(-2\) である点における接線を \(\ell\) とする。放物線 \(y=x^2-x+2\) と接線 \(\ell\) および \(y\) 軸で囲まれた部分の面積 \(S\) を求めよ。
答えを見る
\(x=-2\) のとき \(y=(-2)^2-(-2)+2=8\) より、接点は \((-2,\ 8)\)
\(y’=2x-1\) より、接線の傾きは \(2\cdot(-2)-1=-5\)
よって、接線 \(\ell\) の方程式は \(y=-5(x+2)+8\) より \(y=-5x-2\)
\(-2\leq x\leq 0\) で放物線が接線の上にあるので、
\(\color{#E9548E}{S}=\int_{-2}^0\{(\color{#EE4656}{x^2-x+2})-(\color{#45A3DA}{-5x-2})\}\,dx\)
\(=\int_{-2}^0 (x^2+4x+4)\,dx\)
\(=\int_{-2}^0 (\color{#3CB371}{x+2})^2\,dx\)
\(=\left[\color{#F39800}{\frac{1}{3}}(\color{#3CB371}{x+2})^{\color{#F39800}{3}}\right]_{-2}^0\)
\(=\frac{1}{3}\cdot 2^3-\frac{1}{3}\cdot 0^3\)
\(=\frac{8}{3}\)
まとめ:(x+a)ⁿ の積分

さて、今回のまとめだよ!
\(n\) が正の整数のとき、次が成り立つ。
\(\int (\color{#3CB371}{x+a})^n\,dx\)
\(=\color{#F39800}{\frac{1}{n+1}}(\color{#3CB371}{x+a})^{\color{#F39800}{n+1}}+C\)
(\(C\) は積分定数)
- \(\int x^n\,dx\) の \(x\) を、かたまり \(\color{#3CB371}{x+a}\) に置きかえた形である。
- \(x\) の係数が 1 の形 \((x+a)^n\) にだけ使える。
- 放物線と接線で囲まれた部分の面積では、(上の関数)−(下の関数)が \((\color{#3CB371}{x-a})^2\) の形(\(a\) は接点の \(x\) 座標)になる。展開せずに、かたまりのまま積分する。
- 接点の \(x\) 座標を代入すると \(\color{#3CB371}{x-a}=0\) となり、その項が消えるので計算が楽になる。

また一つ賢くなった!







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